あなたが、最後に妻を「女」として見たのは、いつだろうか。
──思い出せないなら、ここから先を、読んでほしい。
妻が、女でなくなっていく日々
妻が “女” でなくなる日には、決まった日付がない。
ある瞬間に、突然そうなるのではなく、
気付かないほど緩やかに、しかし確実に、進行する。
結婚した夜、彼女はまだ “女” だった。
子供を産んだ朝、彼女は “母” になった。
家事を覚え、家計を回し、あなたを支えるうちに、
彼女は “妻” になった。
そして、ある日、彼女自身も気付かないうちに ──
「ただの女」だった自分を、忘れていく。
あなたが愛したはずの “女” は、彼女の中に、
誰にも触れられないまま、静かに眠っている。
ここで、あなたに問いたい
最後にあなたが、妻に「綺麗だ」と、ふと思ったのは、いつだろうか。
最後にあなたが、妻にちょっとだけ、緊張したのは、いつだろうか。
最後にあなたが、妻に「振り向いてほしい」と、心の奥で願ったのは、いつだろうか。
思い出せないだろう。
なぜなら、あなたも、いつしか妻を「女」として見るのを、やめたからだ。
男には、誘えなくなる日がある
長い時間を共に過ごすうちに、
夜を切り出すことが、年々、難しくなっていく。
「もし拒絶されたら」
「もし気まずくなったら」
「もし日常が崩れたら」
そう思って、結局、何もしない。
妻も、何もしない。
そうして、お互いに現状維持を選んだ夫婦が、世の中の大半を占めている。
穏やかで、平和で、何も起きない関係。
それは、本当に “夫婦” なのだろうか。
それでも、止まらない夫婦がいる
二十年、男女の機微を見てきて、確信していることがある。
止まったように見える関係が、実は止まっていない夫婦も、ある。
その夫婦には、何かが違う。
派手な努力をしているわけではない。
特別な技術を使っているわけでもない。
ただ、ある “ひとつのこと” を、続けている。
あなたの妻は、まだ “女” だろうか。
── 紫